コラム

歯列矯正は子どもだけのものと思われがちですが、実は年齢にかかわらず始められる治療です。顎や歯の状態が整っていれば、60代以上の方でも矯正は可能です。
ただし、年齢によって治療法や費用、かかる期間には違いがあるため、ライフステージに合った方法を選ぶ必要があります。本記事では、子どもと大人の歯列矯正の特徴や費用相場、メリット・デメリットを解説します。
歯列矯正に厳密な年齢制限はありません。歯や歯ぐき、顎の骨の健康状態が整っていれば、年齢に関係なく治療が可能です。実際に、40〜60代から矯正を始める方も珍しくありません。
ただし、下記のような条件を満たす必要があります。
年齢よりも、口腔環境の健全性が矯正の可否を左右します。

子どもの歯列矯正は、「第一期治療」と「第二期治療」に分かれています。開始時期は個人差がありますが、一般的には下記のような目安があります。
それぞれの治療の特徴や小児矯正のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
乳歯と永久歯が混在している「混合歯列期」に行う矯正です。顎の骨がまだやわらかく成長している時期は、骨格や歯列の問題に対して予防的・育成的なアプローチが可能です。将来的な抜歯や外科的処置を避けるためにも、早期の介入が有効なケースがあります。
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項目 |
詳細 |
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おもな対象年齢 |
6〜11歳(混合歯列期) |
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治療の目的 |
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適応しやすい症状 |
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使用するおもな装置 |
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特徴 |
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この時期に歯並びや顎の形を整えておくことで、第二期の治療が不要になる、もしくは短期間で済む場合もあります。
永久歯がすべて生え揃ったあとに行う、本格的な矯正治療です。大人の矯正と同様に、歯の位置や噛み合わせを精密に整えることを目的としています。
この時期には骨格の成長が止まっているケースが大半です。そのため骨の大きな調整は難しいものの、歯の移動による見た目の改善や機能回復は十分に可能です。
| 項目 | 詳細 |
| おもな対象年齢 | 12歳以降(永久歯列期) |
| 治療の目的 |
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| 使用するおもな装置 |
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| 特徴 |
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この段階では、審美性の向上だけでなく、発音・咀嚼などの口腔機能の改善も見込めます。装置の選択肢が豊富なため、目立たない矯正を希望する方にはマウスピース型矯正も人気です。
歯科医と相談しながら、子どものライフスタイルに合った治療法を選ぶことが大切です。
小児矯正には、成長期ならではのメリットがある一方、注意すべき点もあります。メリット・デメリットは、下記のとおりです。
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メリット |
デメリット |
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小児矯正は、タイミングとお子様の個性に合わせて進めることが大切です。
関連記事:親知らずの抜歯後に腫れる理由とは?正しい対処法も解説

大人でも、歯や歯ぐきが健康であれば何歳からでも歯列矯正を始められます。40代・50代から矯正を始める方も多く、近年は60代でスタートするケースも珍しくありません。
年齢よりも重要なのは、口腔内の状態や歯を支える骨の健康です。ここでは、歯科矯正治療が難しいケースや、大人の歯列矯正のメリット・デメリットを解説します。
歯列矯正は年齢に関係なくはじめられる治療です。しかし、口腔内の状態や全身の健康状態によっては、すぐに治療に入れないことも。
下記のようなケースでは、事前の治療や専門医の判断が必要です。
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状況 |
おもな理由 |
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歯周病や虫歯が重度の場合 |
歯を支える骨が弱く、矯正に耐えられない可能性がある |
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顎関節症の悪化が懸念される場合 |
噛み合わせに問題があると、症状が悪化するリスクがある |
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医師の指示に従えない場合 |
適切な治療の継続が難しく、効果が得られにくい |
これらの問題がある場合でも、事前に必要な治療を行うことで矯正が可能になることがあります。まずは歯科医師の診察を受け、自分に合った治療方針を確認しましょう。
大人の矯正には、見た目や健康面で多くのメリットがあります。一方で、年齢に伴う体の変化や、装置による影響にも注意が必要です。
おもなメリット・デメリットは、下記のとおりです。
| メリット | デメリット |
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なお、若返り効果や健康改善は、あくまで間接的な効果であり、個人差があります。
期待しすぎず、歯列や咬合の機能改善をおもな目的とするのが望ましいでしょう。
関連記事:虫歯の治療期間はどのくらい?進行度別に通院回数の目安を解説
歯列矯正にはいくつかの治療方法があり、それぞれに特徴や費用、適応症例が異なります。ここでは、下記の治療方法の特徴を解説します。
詳しく見ていきましょう。
歯の表面または裏側に「ブラケット」と呼ばれる装置を装着し、ワイヤーの力で歯を少しずつ動かす矯正方法です。適応範囲が広く、歯のねじれや重度のガタつきにも対応できます。
ワイヤー矯正には表側と裏側の2タイプがあり、見た目や費用に違いがあります。
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項目 |
詳細 |
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特徴 |
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メリット |
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デメリット |
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見た目を気にしない方や、確実な矯正効果を重視したい方におすすめです。治療実績も豊富で、信頼性の高い矯正法といえるでしょう。
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。見た目が自然で目立ちにくく、食事や歯磨きのときに取り外せるのが特徴です。ただし、1日20時間以上の装着が必要なため、自己管理が求められます。
| 項目 | 詳細 |
| 特徴 |
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| メリット |
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| デメリット |
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軽度〜中程度の歯並びに適しており、目立たない矯正を希望する方や衛生面を重視したい方におすすめです。ただし、装着を忘れがちな方や自己管理が苦手な方には不向きな場合も。ライフスタイルに合うかどうかを、事前に確認しておきましょう。

歯列矯正にかかる費用や治療期間は、年齢や治療内容によって大きく変わります。ここでは、下記の項目ごとに、歯列矯正の費用や期間を解説します。
それぞれ見ていきましょう。
歯列矯正の費用は、年齢と治療内容によって大きく異なります。一般的な費用相場は、下記のとおりです。
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矯正の種類 |
費用相場 |
| 小児矯正(第一期治療) |
約10〜40万円 |
| 小児矯正(第二期治療) |
約30〜60万円 |
| 成人矯正(ワイヤー・マウスピース) |
約30〜100万円 |
| 裏側ワイヤー矯正・全顎マウスピース矯正 |
~100万円以上 |
小児矯正は、骨格や癖の改善が中心なため、比較的安価に抑えられます。一方、第二期治療では、永久歯が生え揃った段階でワイヤーなどを使った本格的な矯正を行います。そのため、費用は成人矯正と同等になることも。
また、成人矯正では見た目と機能の両方を整える必要があり、費用が高額になるケースが多い傾向です。装置の種類によっては、100万円を超える場合もあります。
歯列矯正は、基本的に保険適用外の自由診療です。治療前に総額費用や支払い方法を歯科医院で確認しましょう。
矯正費用は一律ではなく、年齢によって変動する理由は、治療の難易度や使用する装置の違いにあります。下記に、年齢層ごとの違いを整理しました。
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年齢層 |
特徴・費用が変わる理由 |
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子ども |
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大人 |
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装置の違い |
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大人は、審美性を重視して目立ちにくい装置(マウスピース・裏側矯正)を選ぶ傾向があり、これも費用が高くなる一因です。さらに、診断料や通院ごとの調整料が別途かかる場合もあるので、事前に総額を確認することが重要です。
矯正にかかる期間は、年齢や歯並びの状態によって異なります。一般的な治療期間の目安は、下記のとおりです。
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年齢・治療段階 |
治療期間の目安 |
補足内容 |
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小児矯正(第一期) |
約1〜3年 |
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10代後半の矯正 |
約1〜2年 |
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成人矯正(20代以降) |
約1〜3年+保定1〜2年 |
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大人の場合は、矯正終了後も後戻りを防ぐために保定装置の装着が必要です。保定期間は通常1〜2年程度で、動的治療と同じくらい重要になります。
したがって、矯正治療は「歯を動かす期間」+「保定期間」を含めた長期的なプランで考える必要があります。時間的な余裕と、生活スケジュールに合わせた準備を行いましょう。
歯列矯正は子どもから大人まで年齢を問わず可能です。それぞれのライフステージに合った方法を選ぶことで、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや健康面にもメリットがあります。
重要なのは、自分の状態に合った治療方針を、経験豊富な歯科医師と相談しながら決めることです。
名古屋・栄にある「ジョイ デンタル クリニック」では、女性歯科医師による丁寧な診療を提供しています。駅近で通いやすく、審美・機能の両立を重視したサポート体制が整っているため、初めての方でも安心して相談できます。
不安な点や気になる症状がある方は、気軽にご来院ください。
この記事の監修者
ジョイデンタルクリニック
プロフィール
愛知学院大学歯学部歯学科卒
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研究歯科医
米国アイオワ大学歯学部 顎顔面外科
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研究歯科医
名古屋市立大学医学部 大学院医学研究科 生体高分子部門 生物免疫学分野 医学博士号取得
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研修歯科医
名古屋市厚生院 非常勤歯科医師
米国 ハーバード大学医学部 マサチューセッツ総合病院 免疫病理学 リサーチフェロー(研究員)
藤田医科大学 医学部 麻酔・侵襲制御医学 助教
藤田医科大学 医学部 麻酔・侵襲制御医学 講師
藤田医科大学 医学部 麻酔・侵襲制御医学 准教授
ジョイデンタルクリニック 院長
名古屋市立大学大学院医学研究科 先進急性期医療学 客員准教授