コラム

親知らずを抜いたあと、「頬が大きく腫れてしまった」「外出時はマスクが手放せなかった」といった経験をする方は少なくありません。腫れは体の自然な反応ですが、対処を誤ると痛みや不快感が長引くこともあります。
本記事では、抜歯後に腫れが起きる理由や、症状を和らげるための対処法を解説します。抜歯後の不安や疑問を解消したい方は、参考にしてください。
親知らずを抜いたあとに腫れが起こる理由は1つではなく、いくつかの要因が重なって起こります。おもな原因は、下記のとおりです。
それぞれ見ていきましょう。
親知らずの抜歯は外科的処置であり、体は傷口を治そうと炎症反応を起こします。 この過程では、下記のような変化が生じます。
炎症は回復のための正常な反応であり、すべての腫れが悪いわけではありません。数日間の腫れは自然な治癒の一部と考えましょう。
親知らずが歯ぐきや骨に埋まっている場合、抜歯には下記のような外科的処置が必要になることがあります。
こうした処置によって組織へのダメージが大きくなると、炎症が強まり腫れやすくなります。
抜歯が長時間に及ぶと、それ自体が腫れの原因です。とくに、下記のケースでは時間がかかる傾向があります。
抜歯に時間がかかるほど、組織への刺激や損傷が増え、強い炎症反応が起こりやすくなります。一方、短時間でスムーズに終わる抜歯は、腫れも軽くなる傾向です。
抜歯後の傷口は一時的に無防備な状態となり、細菌が入り込むリスクがあります。とくに親知らずは口の奥にあるため、汚れがたまりやすい点に注意が必要です。
感染リスクが高まるのは、下記のような状況です。
感染が起こると、腫れだけでなく膿や発熱を伴うことも。適切なケアで予防することが重要です。
親知らずの根が、神経や血管の近くにある場合は要注意です。抜歯の過程で周辺の組織に触れたり、圧迫したりすることにより、炎症が広がる可能性があります。
結果として、下記のような症状が現れることがあります。
このようなケースでは、通常よりも腫れや痛みが強くなるため、経過観察と適切な医師の判断が必要です。
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親知らずの抜歯後、「腫れはいつまで続くのか」と不安に感じる方は多いでしょう。
ここでは、腫れが出るタイミングやピーク時期、長引く場合の注意点を解説します。
腫れは抜歯直後ではなく、6〜12時間後から徐々に目立ち始めるのが一般的です。もっとも強くなるのは術後2〜3日目です。この時期には、顔の輪郭が変わるほど腫れるケースもあります。
腫れに伴って起こりやすい症状は、下記のとおりです。
ピークを過ぎると腫れは徐々に引いていき、多くの方は1週間〜10日ほどで日常生活に戻れます。ただし、腫れの程度や回復の早さには、体質・抜歯の難易度など個人差があります。
通常の腫れは1週間程度で治まりますが、まれに腫れや痛みが長引いたり、悪化したりするケースもあります。下記のような場合は、早めに歯科を受診しましょう。
これらは、細菌感染やドライソケットなど、術後トラブルが起きているサインの可能性があります。とくに、歯ぐきの切開や骨の削除を伴う「難抜歯」の場合は、炎症が強く出やすいため注意が必要です。
不安な症状が続くときは、自己判断せず歯科医院に相談しましょう。
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親知らずの抜歯後は、ある程度の腫れが出るのが一般的ですが、セルフケア次第で腫れを最小限に抑えられます。下記のポイントを意識しながら、正しいケアを行いましょう。
それぞれの対処法を解説します。
抜歯直後は腫れやすくなるため、なるべく静かに過ごすことが大切です。とくに当日は、下記の点に気をつけましょう。
なお、感覚がなくなるほど冷やしすぎると逆効果になるため、適度な冷却を意識してください。安静と冷却が、腫れの初期対策として効果的です。
抜歯後の傷口には「血餅(けっぺい)」という血のかたまりができ、かさぶたのような役割を果たします。この血餅を守ることが、腫れや感染を防ぐ重要なポイントです。
下記のような配慮を心がけてください。
清潔を保ちつつ、傷口には刺激を与えないようにしましょう。
術後3日目以降は、冷却から温めに切り替えることで血流を促し、回復をサポートできます。具体的には、下記の方法が効果的です。
ただし、熱すぎる温度や長時間の温熱刺激は逆効果となることも。無理のない範囲で行いましょう。
傷の治癒を助けるには、十分な栄養が欠かせません。とくに、下記のような栄養素を積極的に摂りましょう。
固いものや熱すぎる食事は避け、患部に負担をかけない工夫が大切です。栄養と優しさを両立させた食事で、早期の回復を目指しましょう。

抜歯後の腫れや痛みを悪化させないためには、やってはいけない行動を事前に知っておく必要があります。とくに術後1〜3日は、傷口の治癒を助ける「血餅(けっぺい)」が安定しておらず、デリケートな時期です。
この血餅は、抜歯後の穴をふさぐ血のかたまりで、止血や組織の再生に重要な役割を果たします。術後24〜72時間は血餅が剥がれやすく、再出血やドライソケットなどのトラブルを起こしやすい期間とされています。少しの刺激でも、回復が妨げられる可能性がある点に注意しましょう。
控えるべき行動は、下記のとおりです。
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控えるべき行動 |
理由・リスク |
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強いうがいやゴシゴシ歯磨き |
血餅が剥がれ、治癒が遅れる原因になる |
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飲酒・喫煙・激しい運動 |
血行が促進され、出血や腫れが悪化しやすくなる |
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長風呂・サウナ・熱い飲み物の摂取 |
体温が上昇し、炎症が強まりやすくなる |
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舌や指で患部を触る |
細菌が入り込み、感染や炎症の原因になる可能性がある |
これらの行動を避けることで、血餅を安定させて自然な治癒を促進し、腫れや痛みの悪化を防ぎやすくなります。
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親知らずの抜歯後は、誰にでも腫れが起こる可能性があります。適切な対処と日々のセルフケアによって、症状の悪化を防げます。冷却や安静、栄養管理などを心がけて、回復をサポートしましょう。
名古屋・栄にある「ジョイ デンタル クリニック」では、痛みの少ない丁寧な抜歯と、女性目線の優しいケアを実践しています。通いやすい駅近の立地で、初めての方でも安心です。
審美と健康の両立を目指した治療を希望している方は、気軽にご相談ください。
この記事の監修者
ジョイデンタルクリニック
プロフィール
愛知学院大学歯学部歯学科卒
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研究歯科医
米国アイオワ大学歯学部 顎顔面外科
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研究歯科医
名古屋市立大学医学部 大学院医学研究科 生体高分子部門 生物免疫学分野 医学博士号取得
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研修歯科医
名古屋市厚生院 非常勤歯科医師
米国 ハーバード大学医学部 マサチューセッツ総合病院 免疫病理学 リサーチフェロー(研究員)
藤田医科大学 医学部 麻酔・侵襲制御医学 助教
藤田医科大学 医学部 麻酔・侵襲制御医学 講師
藤田医科大学 医学部 麻酔・侵襲制御医学 准教授
ジョイデンタルクリニック 院長
名古屋市立大学大学院医学研究科 先進急性期医療学 客員准教授