コラム

公開日 2025.11.07 更新日 2025.11.11

歯列矯正は何歳からでもできる?年齢別の特徴と費用の違いを解説

歯列矯正は子どもだけのものと思われがちですが、実は年齢にかかわらず始められる治療です。顎や歯の状態が整っていれば、60代以上の方でも矯正は可能です。 

 

ただし、年齢によって治療法や費用、かかる期間には違いがあるため、ライフステージに合った方法を選ぶ必要があります。本記事では、子どもと大人の歯列矯正の特徴や費用相場、メリット・デメリットを解説します。 

歯列矯正に年齢制限はある? 

歯列矯正に厳密な年齢制限はありません。歯や歯ぐき、顎の骨の健康状態が整っていれば、年齢に関係なく治療が可能です。実際に、4060代から矯正を始める方も珍しくありません。 

 

ただし、下記のような条件を満たす必要があります。 

 

  • 重度の歯周病や虫歯がないこと 
  • 顎の骨が安定していること 
  • 歯の本数や位置に大きな問題がないこと 

 

年齢よりも、口腔環境の健全性が矯正の可否を左右します。 

子どもの歯列矯正を始める年齢 

子どもの歯列矯正は、「第一期治療」と「第二期治療」に分かれています。開始時期は個人差がありますが、一般的には下記のような目安があります。 

 

  • 第一期治療:611歳ごろ(乳歯〜混合歯列期) 
  • 第二期治療:12歳以降(永久歯列期) 

 

それぞれの治療の特徴や小児矯正のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。 

第一期治療:611歳ごろ 

乳歯と永久歯が混在している「混合歯列期」に行う矯正です。顎の骨がまだやわらかく成長している時期は、骨格や歯列の問題に対して予防的・育成的なアプローチが可能です。将来的な抜歯や外科的処置を避けるためにも、早期の介入が有効なケースがあります。 

 

項目 

詳細 

おもな対象年齢 

611歳(混合歯列期) 

治療の目的 

  • 顎の成長コントロール 
  • 永久歯のスペース確保 
  • 悪習癖(舌癖・口呼吸など)の改善 

適応しやすい症状 

  • 受け口(反対咬合) 
  • 出っ歯 
  • 歯の重なりや生え変わりが乱れている場合 

使用するおもな装置 

  • 拡大床(床矯正) 
  • マウスピース型(T4K、ムーシールドなど) 
  • リンガルアーチ 

特徴 

  • 装置の多くは取り外し可能 
  • 治療期間は13年程度 
  • 成長期を活かして骨格改善が可能 

 

この時期に歯並びや顎の形を整えておくことで、第二期の治療が不要になる、もしくは短期間で済む場合もあります。 

第二期治療:12歳以降 

永久歯がすべて生え揃ったあとに行う、本格的な矯正治療です。大人の矯正と同様に、歯の位置や噛み合わせを精密に整えることを目的としています。 

 

この時期には骨格の成長が止まっているケースが大半です。そのため骨の大きな調整は難しいものの、歯の移動による見た目の改善や機能回復は十分に可能です。 

 

項目  詳細 
おもな対象年齢  12歳以降(永久歯列期) 
治療の目的 
  • 歯列の全体的な整列 
  • 咬み合わせの調整 
  • 見た目の改善と機能回復 
使用するおもな装置 
  • ワイヤー矯正(表側・裏側) 
  • マウスピース矯正(インビザラインなど) 
  • 部分矯正などの併用 
特徴 
  • 大人と同様の本格矯正が可能 
  • 治療計画の自由度が高い 
  • 抜歯が必要なケースもある 

 

この段階では、審美性の向上だけでなく、発音・咀嚼などの口腔機能の改善も見込めます。装置の選択肢が豊富なため、目立たない矯正を希望する方にはマウスピース型矯正も人気です。 

 

歯科医と相談しながら、子どものライフスタイルに合った治療法を選ぶことが大切です。 

小児矯正のメリット・デメリット 

小児矯正には、成長期ならではのメリットがある一方、注意すべき点もあります。メリット・デメリットは、下記のとおりです。 

 

メリット 

デメリット 

  • 顎の成長を利用して骨格から整えられる 
  • 痛みが比較的少なく、将来の抜歯リスクを軽減できる 
  • 歯磨き習慣が身に付き、虫歯・歯周病予防にもつながる 
  • 思春期の見た目の悩みを予防できる 
  • 成長に合わせた長期治療が必要になる 
  • 装置の管理や口腔ケアに保護者の協力が欠かせない 
  • 装置による違和感や心理的な負担が生じる場合がある 

 

小児矯正は、タイミングとお子様の個性に合わせて進めることが大切です。 

関連記事:親知らずの抜歯後に腫れる理由とは?正しい対処法も解説

大人は何歳からでも歯列矯正を始められる 

大人でも、歯や歯ぐきが健康であれば何歳からでも歯列矯正を始められます。40代・50代から矯正を始める方も多く、近年は60代でスタートするケースも珍しくありません。 

 

年齢よりも重要なのは、口腔内の状態や歯を支える骨の健康です。ここでは、歯科矯正治療が難しいケースや、大人の歯列矯正のメリット・デメリットを解説します。 

歯列矯正治療が難しいケース 

歯列矯正は年齢に関係なくはじめられる治療です。しかし、口腔内の状態や全身の健康状態によっては、すぐに治療に入れないことも。 

 

下記のようなケースでは、事前の治療や専門医の判断が必要です。 

 

状況 

おもな理由 

歯周病や虫歯が重度の場合 

歯を支える骨が弱く、矯正に耐えられない可能性がある 

顎関節症の悪化が懸念される場合 

噛み合わせに問題があると、症状が悪化するリスクがある 

医師の指示に従えない場合 

適切な治療の継続が難しく、効果が得られにくい 

 

これらの問題がある場合でも、事前に必要な治療を行うことで矯正が可能になることがあります。まずは歯科医師の診察を受け、自分に合った治療方針を確認しましょう。 

大人の歯列矯正のメリット・デメリット 

大人の矯正には、見た目や健康面で多くのメリットがあります。一方で、年齢に伴う体の変化や、装置による影響にも注意が必要です。 

 

おもなメリット・デメリットは、下記のとおりです。 

 

メリット  デメリット 
  • 見た目のコンプレックスが解消される 
  • 顔のゆがみが改善され、若返り効果が期待できる 
  • 虫歯・歯周病の予防につながる 
  • 噛み合わせが整い、頭痛や肩こりの軽減につながることもある 
  • 食べ物を十分に噛めることで、消化への負担が軽くなる  
  • 子どもより痛みを感じやすい傾向がある 
  • 発音や見た目への影響が気になるケースもある 
  • 装置が原因で虫歯や歯ぐきの退縮リスクが高まる場合がある 
  • 治療期間が長くなる傾向があり、生活への影響もある 

 

なお、若返り効果や健康改善は、あくまで間接的な効果であり、個人差があります。

期待しすぎず、歯列や咬合の機能改善をおもな目的とするのが望ましいでしょう。 

関連記事:虫歯の治療期間はどのくらい?進行度別に通院回数の目安を解説

 

歯列矯正のおもな治療方法 

歯列矯正にはいくつかの治療方法があり、それぞれに特徴や費用、適応症例が異なります。ここでは、下記の治療方法の特徴を解説します。 

 

  • ワイヤー矯正(表側・裏側) 
  • マウスピース矯正(インビザラインなど) 

 

詳しく見ていきましょう。 

ワイヤー矯正(表側・裏側) 

歯の表面または裏側に「ブラケット」と呼ばれる装置を装着し、ワイヤーの力で歯を少しずつ動かす矯正方法です。適応範囲が広く、歯のねじれや重度のガタつきにも対応できます。 

 

ワイヤー矯正には表側と裏側の2タイプがあり、見た目や費用に違いがあります。 

 

項目 

詳細 

特徴 

  • 歯の表または裏に装置を固定し、ワイヤーで歯を動かす方法 
  • 表側は費用が安く、裏側は目立ちにくいが高額 

メリット 

  • 重度の不正咬合にも対応可能 
  • 仕上がりの精度が高い 
  • 微調整しやすく治療計画を立てやすい 

デメリット 

  • 表側矯正は見た目が目立つ 
  • 装置が口内にあたる違和感がある 
  • 歯磨きがしづらく虫歯リスクが上がる 

 

見た目を気にしない方や、確実な矯正効果を重視したい方におすすめです。治療実績も豊富で、信頼性の高い矯正法といえるでしょう。 

マウスピース矯正(インビザラインなど) 

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。見た目が自然で目立ちにくく、食事や歯磨きのときに取り外せるのが特徴です。ただし、120時間以上の装着が必要なため、自己管理が求められます。 

 

項目  詳細 
特徴 
  • 透明なマウスピースを使い、段階的に歯を動かす 
  • 120時間以上の装着が必要 
メリット 
  • 目立ちにくく、接客業や人前に出る仕事でも安心 
  • 取り外しできて食事や歯磨きがしやすい 
  • 痛みが少なく、金属アレルギーの心配がない 
デメリット 
  • 装着時間を守らないと治療に支障が出る 
  • 重度の歯並びには向かない場合がある 
  • 洗浄や管理に手間がかかる 

 

軽度〜中程度の歯並びに適しており、目立たない矯正を希望する方や衛生面を重視したい方におすすめです。ただし、装着を忘れがちな方や自己管理が苦手な方には不向きな場合も。ライフスタイルに合うかどうかを、事前に確認しておきましょう。 

歯列矯正の費用と期間は年齢でどう変わる? 

歯列矯正にかかる費用や治療期間は、年齢や治療内容によって大きく変わります。ここでは、下記の項目ごとに、歯列矯正の費用や期間を解説します。 

 

  • 小児矯正と成人矯正の費用相場 
  • 年齢によって費用が異なる理由 
  • 治療にかかる期間の目安と違い 

 

それぞれ見ていきましょう。 

小児矯正と成人矯正の費用相場 

歯列矯正の費用は、年齢と治療内容によって大きく異なります。一般的な費用相場は、下記のとおりです。 

 

矯正の種類 

費用相場 

小児矯正(第一期治療) 

1040万円 

小児矯正(第二期治療) 

3060万円 

成人矯正(ワイヤー・マウスピース) 

30100万円 

裏側ワイヤー矯正・全顎マウスピース矯正 

100万円以上 

 

小児矯正は、骨格や癖の改善が中心なため、比較的安価に抑えられます。一方、第二期治療では、永久歯が生え揃った段階でワイヤーなどを使った本格的な矯正を行います。そのため、費用は成人矯正と同等になることも。 

 

また、成人矯正では見た目と機能の両方を整える必要があり、費用が高額になるケースが多い傾向です。装置の種類によっては、100万円を超える場合もあります。 

 

歯列矯正は、基本的に保険適用外の自由診療です。治療前に総額費用や支払い方法を歯科医院で確認しましょう。 

年齢によって費用が異なる理由 

矯正費用は一律ではなく、年齢によって変動する理由は、治療の難易度や使用する装置の違いにあります。下記に、年齢層ごとの違いを整理しました。 

 

年齢層 

特徴・費用が変わる理由 

子ども 

  • 骨がやわらかく歯が動きやすい 
  • 治療がシンプルで費用が抑えられる 

大人 

  • 歯周病や噛み合わせの調整が必要になる場合がある 
  • 治療が複雑で費用が高くなる 

装置の違い 

  • マウスピースや裏側矯正は審美性に優れるが高額 
  • 審美性重視の装置を選びがち 

 

大人は、審美性を重視して目立ちにくい装置(マウスピース・裏側矯正)を選ぶ傾向があり、これも費用が高くなる一因です。さらに、診断料や通院ごとの調整料が別途かかる場合もあるので、事前に総額を確認することが重要です。 

治療にかかる期間の目安と違い 

矯正にかかる期間は、年齢や歯並びの状態によって異なります。一般的な治療期間の目安は、下記のとおりです。 

 

年齢・治療段階 

治療期間の目安 

補足内容 

小児矯正(第一期) 

13 

  • 顎の成長を利用して骨格の改善を行う 
  • 症状により第二期に進む場合もある 

10代後半の矯正 

12 

  • 永久歯が生え揃っており、歯が動きやすい時期 
  • 治療が比較的スムーズ 

成人矯正(20代以降) 

13年+保定12 

  • 骨の代謝が落ち、歯の移動に時間がかかる 
  • 抜歯や顎のズレがあると2年以上かかる場合もある 

 

大人の場合は、矯正終了後も後戻りを防ぐために保定装置の装着が必要です。保定期間は通常12年程度で、動的治療と同じくらい重要になります。 

 

したがって、矯正治療は「歯を動かす期間」+「保定期間」を含めた長期的なプランで考える必要があります。時間的な余裕と、生活スケジュールに合わせた準備を行いましょう。 

まとめ:年齢に合った歯列矯正で、理想の歯並びを手に入れよう 

歯列矯正は子どもから大人まで年齢を問わず可能です。それぞれのライフステージに合った方法を選ぶことで、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや健康面にもメリットがあります。 

 

重要なのは、自分の状態に合った治療方針を、経験豊富な歯科医師と相談しながら決めることです。 

 

名古屋・栄にある「ジョイ デンタル クリニック」では、女性歯科医師による丁寧な診療を提供しています。駅近で通いやすく、審美・機能の両立を重視したサポート体制が整っているため、初めての方でも安心して相談できます。 

 

不安な点や気になる症状がある方は、気軽にご来院ください。 

 

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この記事の監修者

下村泰代Simomura Yasuyo

ジョイデンタルクリニック

プロフィール

愛知学院大学歯学部歯学科卒
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研究歯科医
米国アイオワ大学歯学部 顎顔面外科
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研究歯科医
名古屋市立大学医学部 大学院医学研究科  生体高分子部門 生物免疫学分野 医学博士号取得
名古屋市立大学病院 歯科口腔外科 臨床研修歯科医
名古屋市厚生院 非常勤歯科医師
米国 ハーバード大学医学部 マサチューセッツ総合病院 免疫病理学 リサーチフェロー(研究員)
藤田医科大学 医学部  麻酔・侵襲制御医学 助教
藤田医科大学 医学部  麻酔・侵襲制御医学 講師
藤田医科大学 医学部 麻酔・侵襲制御医学 准教授
ジョイデンタルクリニック 院長
名古屋市立大学大学院医学研究科 先進急性期医療学 客員准教授